動くプロジェクターの謎〜フレームの位置は無限大、表現の場は1つじゃない
今回のワークショップのもうひとつの主役はアクティブビジョン。アクティブビジョンは横360°、縦240°の回転を遠隔操作できるムービング・プロジェクターだ。つまり投影画面が縦横無尽に移動する。多岐に渡る映像コンテンツを2次元ではなく3次元として扱うことが出来る優れたハードである。このステージではアクティブビジョンの特性を活かしつつ、カラダとのコラボレーションを試みる。

これまでのワークショップの中でパフォーマーのリアルな表情を隠し、羞恥心をも封じるマジックボックスとして機能してきたGHPを使用する。視線が閉ざされるGHPを装着しつつも、観客とのアイコンタクトを試みるのがグラインダーマン流だ。そしてあるときふいに、GHPに顔の絵をマーキングしたり、文字をラベリングして、アイコンとして機能するGHPを用いた表現を行う。しばしば利用されるのはGHPに付着する2つのマルと1つの三日月形のマグネット。これをGHPの正面に貼り付けることで、あっという間に笑顔が出来上がる。三日月を反対に貼り付けると困った顔が出現。それまでただの黒い箱だったGHPはたちまち表情を浮かべ始める。愛嬌のある笑顔のGHPに対して観客のココロは不思議と解き放たれるのだ。
このタームでは、上記のパフォーマンスを体験してもらうことにする。今回はマグネットではなく表情アイコンに映像を使用。アクティブビジョンの投影先をピンポイントでGHPにシュートしていく。人間が縦横無尽に歩いて、立ち止まった所に、アクティブビジョンがシュイーンと動いて顔のパーツが集まる、という仕掛け。 投影される表情は「楽」「怒」「悲」「脱力」の4種類。参加者はこの4つの表情にリンクするように、まずはカラダの動きを各自オリジナルで創ることからはじめる。自分の顔の筋肉を使用できず、カラダの動きのみで「楽」「怒」「悲」「脱力」を表現することはなかなか難しく、繰り返し練習する。 それぞれが4種類の動きを決めたところで、実際に移動する映像とのコラボレーションを試みることに。多面的に動く映像に合わせ、会場でのポジションを移動させる参加者たち。各々のGHPに投影される表情映像。そして、シュートされた表情映像とリンクする参加者の身体表現。映像と身体表情の相乗効果により、マシンに操られたヒト、マシンに操られた表情、この場所は「楽」、あの場所は「怒」…という一連のシーケンスができあがる。カラダの表情を軸とし、すでに用意された表情がカラダに歩み寄る、摩訶不思議な一幕を経て第2回目のワークショップの最終章へ進みましょう。

GHPに投影された表情

「悲」:寂しいのとはちょっと違う

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